インターンシップ

「田舎の林業」

こんにちは。三重支部スタッフの相場流と申します。

私は大学一年生のころ、夏休みにインターンシップに参加しました。といっても、自分は就職に対してものすごく意欲があったとか、もともと参加したいと思っていたとか、そういう心意気はありませんでした。自分は東京出身で、田舎や自然にあこがれて三重に来ました。しかし、オンライン授業で全く外に出る機会がないまま前期が進んでいってしまい、ものすごくフラストレーションがたまっていく状態のまま、一人暮らしをしていました。そんな時、全く知らない先輩からお誘いを受け、インターンシップの説明を受けました。このまま夏休みを迎えても、全く何も予定もなく、怠惰な夏休みになることが確定していた自分にとって、コロナ下でも向こうから誘ってくれる団体の紹介がすごく丁寧に感じ、夏休みのインターンシップに参加する決意をしました。

自分のインターン先は、まさに山の中、三重県の美杉町という地で、林業を体験するというインターンシップでした。「美しい杉」という地名だけあって、その地は緑にあふれ、自分の思い描いていた「本当の自然と本当の田舎」がそこにありました。インターン初日に、インターン先についた段階で、自分はこのインターンに来れてよかったなと心の底から思いました。
それからは、1週間に2~3回のペースでインターンに行きました。インターンの日の朝は早く、朝5時に起き、6時に家を出て、7時に駅に集合して、そこから車で作業場まで向かうのがいつも通りになりました。ついて従業員の皆さんに挨拶を済ませると、まずは体操から始めます。仕事前に体操をするところから、体を使った肉体労働なことがうかがえると思います。
実際に山に入る場合は、装備をしっかりしていきます。夏の山には本当に大量の虫がいます。なので、虫よけをした上に真夏でも長袖長ズボン、そして殺虫剤を腰にセットした状態で作業します。

チェーンソーの音や重機の動く音がすぐ近くでしていたため、山の中の静けさというものは作業中感じることができませんでしたが、自分は作業に集中すると周りの音がどうでもよくなるタイプなので、自分の作業を黙々とやっていました。自分の隣で、さっきまで力強くたっていた数十メートルの木が倒れていくとき、そして倒れて地面にぶつかる瞬間の、ものすごい衝撃と音はいまだに忘れられないほどインパクトがありました。チェーンソーなどの免許を持っていない自分がやっていた仕事は、もっぱら既に切り倒した木の幹の皮をはぐという作業でした。切り倒された幹に、かまで皮を割き、ヘラではがしていきました。最初になんでこんな作業をするのか聞いたところ、皮だけで売れるんだとか。実際の売り物になるんだと思うと凄く丁寧に作業したい気になりましたが、自分の作業が遅いと、倒した木を丸太に分けて重機で運ぶという次の作業が進んでいかないので、のんびりもしていられませんでした。それに加え、実際の山なので、人間が作業しやすいように整備されているわけでもなく、慣れない作業靴でものすごい斜面なかの作業で、ものすごく疲れました。

インターンで学んだことは、田舎のリアルと、そこに存在する面白さです。東京での学校の授業では、どんどん技術革新が進んで便利になっていく世の中ばかりが描かれていましたが、自分のイメージ通りの田舎も同じ国にあるんだという発見がありました。そして、なんでもパソコンでできるといわれるこの時代に、身一つで危険と隣り合わせで自然と向き合う職業があることが、自分にとってすごく大きいものでした。これは、インターンとして実際にその場に行ったからこそわかる発見だったと思うし、この経験をするとしないで、自分のこれからの大学生活は大きく変わりました。
インターンは就活生になってから?そんなのは古いです。
こういう体験を、きっかけを、早く経験するからこそ、自分の人生が切り開かれていくんだと思います。

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