ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.109 [首長] 佐々木 一十郎 名取市長 「国のことをしっかりと考えられる人が必要です。焦りすぎず、しっかりと問題を見据えて取り組んでください」

市長

名取市長 佐々木 一十郎
所属 名取市長
選挙区 宮城県名取市

 

震災前から抱えていた問題と、復興の問題と、どういった割合で取り組んでいますか?


まず、これまでここに住んでいた人達のまちがなくなってしまったので、何を置いてもまちの復興、みなさんのまちを取り戻すというのが最大の課題です。
また、震災前から抱えていた問題と言うのは我々だけでなく、国全体で抱えていた問題といえることではないでしょうか。最近の日本の様子を見ていると製造業の空洞化など、資源のないこの国の本来あるべき姿を失ってしまっているように思います。頭脳を鍛える教育の面においても同じではないでしょうか。せっかく日本で開発した素晴らしい技術でも、残念なことに日本では製品化出来ずに海外へ渡ってしまう、そして逆輸入されるという事態が起こってしまっています。そういった様々な面において外国についていけずに置いていかれてしまう、その点は日本全体に問題があるでしょう。
これからは町工場の職人さんが生き残っていけるような産業構造をしっかりと確立し、ものづくりの国へ日本を戻していければ、市としても日本としても嬉しく思います。だからといって、何事も効率ばかりを優先することが必ずしも良い事とは限りません。焦る気持ちを抑えて、もう少しゆったりとしたペースで生活をしていっても良いのではないかと思っています。



全国の大学生に増税についての考えを聞くと大半が支出の多さから賛成という答えが返ってきました。それについての考え、また兼ね合いはいかがですか?


一頃の増税、即反対、という反応からはだいぶ成熟してきた印象がありますが、最初に、どれだけ今の若者が今の社会構造について理解しているのか疑問に思っています。そして、この問題を考えると消費税についての考えだけでは済まされません。もっと社会全体の構造に目を向けるべきです。
一番大きな問題の一つは年金問題で、高齢化社会を若者が支えていくという構造には限界があります。しかし解決策もないままにどんどん進んでいってしまっているので、年金制度を崩すか、年金の受給額を減らしていくかしかないのではないでしょうか。でなければこれまで以上に若者の負担を増やし続けることになり、若者の生活自体が潰れてしまいかねません。
それに加えて、生活保護も重要な問題になってきます。片や、職についていない人に10数万円の支給があり、片や昼夜問わず一生懸命働いている若者が生活保護を受給している人よりも収入が少ないという事態が起きていますが、その社会構造自体がおかしいのです。この国のこのような矛盾をあげていったらきりがありません。しかしそれを踏まえて、国が崩壊しないようにどう上手く構築していくか、ということを真剣に考えていかなければならないでしょう。



市長の元で大学生が勉強させて頂くなど、そういった活動には参加されていますか?


インターンシップという活動自体は以前から知っていましたが、私個人ではまだ引き受けたことはありません。しかしそういったインターンシップに参加する学生にはただ漠然と勉強をしたいというだけでなく、何になりたいのか、何をしたいのかをはっきりさせておくとより身につくものがあるのではないでしょうか。
個人として、今よりも国のことを真剣に考えられる人、行動していける人をもっと育てる必要を感じていますので、意欲のある方にはぜひ頑張って活動して頂きたいと思っています。



(インタビュー:2012-7-21)


昭和51年10月~平成16年7月    有限会社佐々木酒造店入社(代表取締役)
昭和55年   5月~平成16年7月    名取市消防団員
昭和59年   7月~昭和63年3月    名取市選挙管理委員会委員
平成   4年   2月~平成12年1月    名取市議会議員(2期)
平成   9年   5月~平成12年5月    名取市商工会副会長
平成16年   7月~現在                   名取市長就任(現在3期目)
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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