ジャパンプロデューサーインタビュー
Vol.080 [首長] 松尾 たかし 鎌倉市長 「やって失敗することは失敗ではない。やらない事こそ最大の失敗。躊躇した時こそ、前進する。」
市長
鎌倉市長 松尾 たかし
所属 鎌倉市長
選挙区 神奈川県鎌倉市
公式サイト
市長になろうと思ったきっかけを教えてください。
鎌倉で生まれ育ち、政治にもそれほど関心がないまま、人生を過ごしてきました。
しかし、社会人として日々仕事に取り組んでいる中で、「このままでいいのか」と思っていた時期に国会議員のお話を伺う機会があり、「かっこいい」「こういう生き方があるのか」と思い政治に関心を持ちはじめました。
また、初めて議会傍聴に行ったとき、「利権のため」「議員のため」といった「ための議論」ばかりで「市民の当たり前の感覚」が置き去りにされていると感じました。そのやりとりを見ている中で、「市民の手に政治を取り戻したい。」と感じずにはいられませんでした。
それが市長になろうと思った原点であり、私の政治家人生としての原点ですね。
若手時代の失敗エピソードとそこから得た教訓がございましたら教えてください。
当時お世話になっていた議員の選挙を手伝ったときにポスター貼りの仕事をしていたのですが、最初は何軒回っても全然ポスターを貼らせて頂けず、議員から何度も怒られることがありました。成功体験が得られず、かなりナーバスな気持ちでポスター貼りをしていましたが、ある日、偶然ポスター貼りの許可を頂くことができました。許可が出たのは偶然だったと思いますが、その後統計をとってみると約100軒に1軒は貼らせて頂ける事が分かったんです。すると、断られることが怖くなくなり、「99回断られたら、1枚貼れる♪」という気持ちで奔走することができました。
そこから学んだ事は、まず、やってみることが大事ということ。
私自身は物怖じするタイプだったのですが、「やって失敗することは失敗ではない。やらない事こそ最大の失敗。躊躇した時こそ、前進する。」ということを、今なお教訓にしています。
人生を充実させるための工夫について教えてください。
また、そのための時間を創出するための工夫などもございましたら教えてください。
朝の時間を非常に大切にしています。遅くとも朝5時には必ず起きて、自分の勉強、メールチェックなどに時間を使うことで、公務の時間も集中して取り組める小さな仕組みを自分でつくっています。時間がない、ではなく時間はつくるもの、という意識で日々活動していますね。
現在、注力されている政策を教えてください。
また、今後力を入れていきたい分野がございましたら教えてください。
鎌倉は観光都市と見られますが、実は市の経営インパクトとしては大きくないのです。税収の6割は市民税。日帰りの観光をされるお客様が多く、鎌倉にいらっしゃるお客様が一日に鎌倉で使われるお金は約3000円程度と、他市に比べて少ないのが現状です。
そこで鎌倉市としては2つのことに今、力を入れています。
1つ目が世界遺産登録。私は鎌倉市を「世界の鎌倉」にしたいと考えています。鎌倉は地域に根付いている文化・風土がまだしっかりと残っていて、東京からほど近くして日本を感じられる場所であり、資本主義の社会にもう一度、自然との共生をメッセージとして出したいと思っています。
2つ目は、鎌倉という衣食住遊すべてが完結できるという恵まれた土地環境を活かした住民・企業誘致を推進したいと考えています。朝サーフィンをしてから出勤し、仕事をして、アフターファイブを楽しむといった多様なライフスタイルを実現できる市、ということを1つのアピールポイントとして取り組んでいきます。
若者に向けてメッセージをお願いします。
ぜひ、世界を意識して行動してください。
今や、日本は第二の鎖国状態になろうとしています。例えば、電化製品であれば、ソニー、パナソニックはいまや世界のトップではないのです。もちろん日本・地域のことについて考えることは大事ですが、世界に思いを馳せながら、足下を(地域)しっかり見る、という姿勢で頑張って頂きたいと考えています。
鎌倉市としても、世界の姉妹都市と交流事業に再び力を入れ始めています。ですから、みなさんも是非さらに視野を拡げ、様々なアクションを世界目線で仕掛けていって頂きたいです。
1996年3月 日本大学経済学部卒業
1996年4月 日本通運株式会社入社
1999年 日本通運株式会社退社。
その後、現衆議院議員・江田憲司氏の出馬に参画。
2001年4月 鎌倉市議会議員選挙で最年少トップ当選を果たす。
2005年4月 鎌倉市議会議員選挙で2期連続トップ当選を果たす。
2007年4月 神奈川県議会議員選挙でトップ当選を果たす。
2009年11月 鎌倉市長に就任する。