ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.054 [議会議員] 大嶋 薫 札幌市議会議員 「議論の時間を作って、意見をぶつけあってください」

札幌市議会議員

民主党 大嶋 薫
政党 民主党
選挙区 札幌市西区
初当選年 2003年
当選回数 4回(市議選4回)
公式サイト

 

大嶋議員は学生時代、どんな学生だったんですか?


あまり真面目ではなかったね(笑)学生運動の残り火がまだあった時期で、(大学の)クラスでそういう議論をしたり、クラスでグループ作って集会に出たりしてました。
それが、1,2年の頃。3年生の時に、伊達(道南の都市)の火力発電所の問題があって、それが日本で初めて環境権を訴えた裁判だったんだよね。僕はその裁判の支援、集会やカンパ、(原告である)現地の農民の方たちのお手伝いをしてました。



なぜ、そういうことに関わろう、と思われたんですか?


当時、田中角栄氏の列島改造論が掲げられて、工業立国がすすめられていて、そこで僕は一次産業に関わる政策に、関わりたいと思ったからだね。ちょうど同じ時に、全国で、水俣病を中心として公害病が問題になっていたしね。



そこに関わって、何か得たものはありましたか?


一緒に裁判の支援に関わった仲間も含めて、現地の人たちの「人間が生きていくときの、根源的な力・優しさ・怒り」というものに触れることが、できたっていうところかな。



では、大嶋議員が政治家の道を目指されたのは、どういったきっかけがあったんでしょうか?


1983年4月に横路知事が誕生したんだけど、その前にたまたま知り合いに誘われて、(横路氏を応援する)勝手連に参加して、竹村さんの草の根連合にも参加して、それまでも接点はあったけどね、より具体的に政治との接点を持つようになりました。
1988年、直接請求運動があってそれは道議会で否決されたんだけど、同じ時期に、仲間の障害者の小規模作業所の運動にも関わるようになって、そういう中だね。ひとつの、「議員」という仕事に興味を持ち始めたのは。



今の札幌の政治に感じている、問題点というのはなんでしょうか?


うーん・・・課題をあげれば、一時間や二時間話しても尽きないけど(笑)
自分が最初の立候補のときから言い続けてることで、福祉のまちづくり、人権・環境・住民自治をライフワークにして、訴え続けていきたい。基本的にこれからの社会は福祉がベースになってくるんだけど、単純に事業目的でなく、自治のための「広がりを持った議論」ができればいいと思っています。



学生に対して、何かお言葉をいただけますか。


色んな情報チャンネルは僕らの時代より格段に発展している。抽象的になってしまうんだけど、それをうまく利用して、自分の行動に広がりを作る、それで、きちんと議論できる能力というのかな、そういうのを持ってほしいです。そして、いろんな人と、議論の時間を作ってほしい。これは一般的に言えることかもしれないけど、就職するとみんな「チャレンジ」がしぼんでしまうよね、どうしても。だけど、今はそれを(就職しても)続けようと思えばできる時代だから、一番大事なのは人とのつながり、議員インターンシップとかをしてそこで出会った人とのつながりを40歳・50歳になってどのような使い方ができるか、ということがカギだと思います。
たださっきも触れたけど、お互いが相当厳しく付き合って、議論も含めて、その意見が未熟でもぶつけあって、鍛えあう関係が無いと、議員インターンに参加しても、意味が無い。
経験したことからもう一歩、テーマはいろいろあっても、お互いの本音や憎しみを今のうちにぶつけあうことで、社会を支える50歳とかの年代になっても、いい付き合いができる、というか。そんなとこかな。



編集後記


普段はどちらかというと、にこやかだけどおとなしい大嶋議員という印象だったのですが、質問に対してとても熱く答えていただけました。人と話す時には「話題提供」が大事なんだと、当たり前だけど、改めて感じました。



(インタビュー:2004-06)


名前 大嶋 薫(おおしま かおる)
所属 札幌市議会議員
1951.1.28 北海道紋別市鴻の舞鉱山に生まれる。
1969.3 北海道旭川北高等学校卒業。
1974 北海道大学法学部卒業後、様々な市民運動に参加。(横路孝弘知事を実現する「勝手連」創設メンバー)
1991 札幌市議会議員選初挑戦するも惜しくも次点。
1995 再挑戦で初当選。現在の公職は民主党札幌西幹事長北海道日中友好協会副会長NPO障害者活動支援センターライフ理事NPO北海道グリーンファンド監事など
1999 札幌市議会議員選2期目当選。
2004 札幌市議会議員選3期目当選。2007.4札幌市議会議員選挙にて4期目当選。(初のトップ当選。)
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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