ジャパンプロデューサーインタビュー
Vol.021 [議会議員] 大西 一史 熊本県議会議員 「20年後までに政治家として一つ目的を果したなって思えるような仕事を残したい」
熊本県議会議員
熊本県議会 大西 一史
政党 無所属
選挙区 熊本県
初当選年 1997年
当選回数 4回(県議選4回)
公式サイト
トップ当選おめでとうございます。今日はよろしくお願いします。まず学生時代に議員インターンシップをしていたら、ご自身が変わっていただろうなと思われることは何ですか?
そうだねぇ。学生時代にもし議員インターンがあれば、職業選択の場での意識が変わっていたんじゃないかなぁ。
まぁ、僕は父の選挙(父親は元・議員)を手伝ったり、いろいろ見たりして、基本的に議員インターンシップのような事をしていたんだ。
だから、政治の表も裏も見えていたんだよね。
もし自分が政治に全然関係の無い学生だったとしても、学生時代に議員インターンシップを体験していたら、今と同じように政治家を志していたかもしれないよね。
逆に、こんな仕事ヤダと思ってたかもしれない。
けれども、議員インターンのような事を経験して、基本的に政治の表も裏も全部見て政治家になっているのであの経験はよかったね。
こういう政治を知る機会は、できれば沢山あったほうがいいと思いますよ。
世の中、物事を表面的に見がちでしょ?
物事を判断したときにバーチャルな体験だけで語ってしまうという傾向が、インターンをすることで少しは解消されていけばいいなとは思いますけどね。
体験型学習だってよく言いますけど、どんな職業でもこういうことを進めていった方がいいと思いますね。
僕の学生時代にもっと他の分野のインターンがあれば、職業選択の段階での意識は変わってたんじゃないかなとは思います。
では、学生時代に議員インターンシップがあったら、世の中で変わっているだろうと思うことは何ですか?
やっぱり、有権者の意識が変わってると思いますよ。
政治参加する意識がもっと高まっているんじゃないかな。
今回の選挙でも投票率が低かったし、棄権しましたっていう投稿が新聞にも載ってたでしょ。やっぱり政治家を判断する為の情報が少ないんですよ。
そういう意味では、インターンシップをすることによって深く深く政治を知ることになるでしょ?
そうなることによって投票率がアップしていたり、もしくはいろんな違ったイメージでの政治運動が起こっていたり、政治意識が確実に高まるだろうなと思います。
だから私もこうやっていろんな人にインターンに来てもらって、実際全部を見てもらうんですよ。
公開するということは、現状を知った上で改善点が出てくるから、とても大事なことでね。
僕はインターン生に率直に不思議だったこと、どうにかならないのかって思ったことを聞いてみたいですね。
ただ「はい、体験しました。さようなら」じゃなくて、その後、常にフィードバックしてもらうような、そんなやり方がいいと思ってます。
テレビ画面で素直な議会を見たときの意見とか、素直な政治の生の意見を言えるのは、インターン生の強みかなと私は思ったんですよね。そして、それをありのまま見せている議員さん達もすごいですよね。
学生の受け入れを躊躇している議員には、やっぱり、「見せたくない」と考えている部分もあるんじゃないかな?
良く見せようと思って、わざわざ偽物をつくる必要は無い訳だから。
だって、どんな仕事だって全てがパーフェクトなことってないわけでしょ?
逆にいえば、それをこっちはどんな感じを受けたかっていうのを、情報として捉えるだけでも変化できるわけですよ。
よりよく Improveできるわけでしょ?
ある意味、インターン生にモニター的な役割を期待してるっていう部分はあるかもしれないね。
インターン生にきちんとした知識を持って政治を見てもらって、政治的関心を高める。
そして、それが他の人たちにどんどん伝わっていけばいいと思いますね。
政治家のどこを見ればいいのか?とか、自分たちはどうやって政治参加していけばいいのか?とかを知ってもらう上でインターンは重要だと思うよ。だから、議員インターンは絶対続けてもらいたいね。
僕も最大協力をしたいと思ってるからさ。
ありがとうございます。話は変わりますが、学生の時に議員ではなくてもミュージシャンとかのインターンシップがあったら、どんな職業のインターンがしてみたかったですか?
僕はプロのミュージシャンに付いて、仕事までさせてもらったから。あれもある意味インターンだったね。まぁ、別に機会を与えられなくても、やろうと思えばできるわけですよ。嫌がられるところもあるかもしれないけれど、結局は、勉強しようという、その意欲・意志次第だと思うんですよ。
他にやってみたかったと言えばパイロット。GoodLuck!じゃないけど(笑)
あとは・・・ラーメン屋さんかな。
では、目指す人や、尊敬する人、憧れの人はいますか?
うーん…キムタク?嘘、嘘(笑)
尊敬する人物はね、僕は具体的に政治家として挙げるとすれば、海外で言うと、ジョン・F・ケネディ。
歴代総理で言えば、浜口雄幸とかね。
あの時代の政治家っていうのは本当に国の事を思って、ダイナミックな仕事をしていたと思うんですよ。
自分の命を掛けてまで、国のことを思える。
プロジェクトXみたいなね。
プロジェクトXには、逆境から立ち上がるという強さがあるでしょ。
今みんなが逆境に立たされているから、あの番組はうけているんだ。
今言ったような政治家の人達っていうのは、それぞれ命をかけて、政治をやってきたんじゃないかなと思っています。
横田議員は、その文庫活動の仲間で『友達選挙』をされたと伺ったのですが、『友達選挙』とは何ですか?
「私が議員になりたいから応援してね」っていうわけではなくて、みんなで選挙をやろうっていう動きが盛り上がった1994年の夏、私はサポーターのつもりだったんだけど、候補者やるわって人がいなかったの。だから私としては、みんなでやる選挙の、候補者という役割を引き受けたって思ってる。
私たちの強みは、地盤もカバン(=お金)も看板も何もない集団だったこと。
それでも、既成の政党に政治をお任せでなく、文句ばかり言ってないで、自分達でやろうって一念発起したわけですよ。すごいでしょ。
私たちはよくあるピラミッド型の組織とはちょっと違う。タンバリンみたいだってよく言うんです。
1つひとつの鐘が横ヨコにつながってね。上下の縦関係ではなく横のつながりを強めたのです。これが「友だちの輪」。
そしてこの友だちの輪がどこまで繋がれるかで選挙をしているのよ。
友だちの条件は「利害ではなく信頼」であること。これが大事。
1年後・5年後・20年後は、それぞれ何をしていると思いますか?
1年後は、仕事の面では議会も少しは変わってきて、緊張感を持てるようになっていればいいなと思いますね。
例えば議会のテレビ中継やインターネットをもっと活用したりして議会をもっとオープンにするとかね。
とにかく、もっとオープンにしたいなと思います。
これは、1年後になってればいいなじゃなくて、新しい議長が決まったときにすぐ申し入れをしようと思っているんだよ。
プライベートでは、どっか旅行できたらいいなと思いますね。選挙もひと段落ついたからね。
まぁ希望を言えば、子供が生まれてればいいなと思うね。
あ、1年後は生まれてはいないか・・・でも生まれてる可能性はあるかな?今からがんばれば(笑)
そうですよね(笑)では、5年後はどうでしょうか?
5年後は、改選してるし、どういうスタンスになるかはわからないけど、大きく議会が変わってなきゃだめでしょ。
次の選挙のときには、いかに政策論争で有権者がきちっとその人の理念や政策を理解して行動して、その結果がきちっと表れるか。
そして、それをふまえて、私もまた1位になれたらいいなと思っております。
それから、インターン生がもっと増えて。インターンを経験する子がもっと増えていけばいいなと思ってますね。そういう理想の政治に1歩でも近づけばいいなというのが5年後です。
では、最後に20年後は?
20年後は55歳。
20年後までに政治家として一つ目的を果したなって思えるような仕事を残せればいいなと思いますね。
20年後ってあまり想像できないけど、少なくとも政治家として考えたときに、「大西が政治家をやってたおかげで、自分たちも政治が身近になったし、変わったね。」って完全に言わせきるだけのことはしていきたいね。
それと、10年後にはそれこそ新幹線が開通し、20年後にはそれがもう定着しているだろうから、都市機能が充実していればいいなと思うということと、バランスが取れた町ができてればいいなということだね。
この20年間で、自分の力も含めてみんなの力で大きく熊本は日本の中でも住みやすい町の一つだという風に作り上げることができていればいいなと思いますね。
あとは、新しい人を育てるいろんな仕事ができたらいいなと思ってます。
では、今の日本を変えていく為に、何が大事なことだと思いますか?
今、改革って言ってますけど、国の構造改革は確かにやっていると思いますよ。いろんな意味で変わってきてると思うし。でも見えないでしょ?
きちんとやってる過程が見えないから、壊しているところしか見えないわけ。
例えば、トンネルに入ったと思えばいいんですよ。
すごく暗いトンネルの中を車で走っています。
で、いつになれば出口なんだろうって、非常にみんな不安になってきました。出口がわからないで、トンネル走ってること程、怖いものはないですからね。だけど、トンネルにはあと1キロ先が出口。あと500Mってちゃんと書いてくれてるでしょ。
そういうことをきちっと示してあげるってのが政治の役割としてとても大事なことなんです。
そこで、
「財政が悪いですよ。」
「財政健全化しなきゃいけないですよ。」
「平成17年度までにやりますよ。」と言っておいた上で、
「でも、すみません、車のスピードが遅くてガソリンが足りなくなってきたんで、あと2年延長します。」という具合に、きちっと見えるような形で報告していかないといけないんですよね。
それがなくて、ただ単にトンネルに入っただけで、先がどうなってるかわからないようじゃだめで、もし、トンネルの出口が開いていないんであれば、急いで今から開けなきゃいけないわけですよ。このトンネルの話は、よく比喩で使うんですけど、政治をもっとわかりやすく、市民のみなさんに知ってもらうというのが大事だと思いますね。
わざわざ時間を作っていただき、ありがとうございました。本当に楽しかったです。
いえいえ。これからも協力していくから、がんばってね。
インタビュー後記
まじめな話をしていたかと思えば、突然、笑わせる様な事をおっしゃる大西議員。とにかく笑いの絶えないインタビューでした。
熊本を愛し、多くの人に政治を身近に感じて欲しいと熱い想いを語るその姿を見て、熊本県民の政治意識は、もっともっと変わってくるだろうと思いました。
1974.3 九州学院みどり幼稚園卒園。
1980.3 熊本市立白川小学校卒業。
1983.3 熊本市立白川中学校卒業。
1986.3 熊本県立熊本北高等学校卒業。
1992.3 日本大学文理学部心理学科卒業。
1992.4 日商岩井メカトロニクス(株)入社。
1994 日商岩井メカトロニクス(株)退職
1994.11 衆議院議員 内閣官房副長官(園田博之代議士)秘書。
1997.12 熊本県議会議員に最年少初当選。熊本市選挙区補選(19,475票獲得)。
1999.4 熊本県議会議員に当時最年少の2期目の当選(13,075票獲得)。
2003.4 熊本県議会議員に当時最年少の3期目のトップ当選(21,494票獲得、熊本県議会史上最高得票)。
2004.4 熊本県議会議員に4期目のトップ当選(16,428票獲得)。
2008.4 九州大学大学院法学府修士課程(公法・社会法学専攻)入学